エスプレット村のピザ屋

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空腹と記憶というのは、密接に結びついているのかもしれない、と本気で研究したくなるような出来事があった。
エスプレット村での事だ。

やっとの事、目的地のエスプレット村に到着した僕らは、村の美しい光景に目を奪われた。あっちこっちと散歩をして、村の名物である唐辛子が干してある光景を見つけては、「ほらほら、あれあれ!」とはしゃいでいた。

しばらくして、ひとしきりエスプレット村を歩き回り、テンションが上がりきった時、そろそろお腹が減ってきたぞ。
何か食べたいぞ、となったわけである。

さて。
エスプレット村。
僕らはたくさん歩き回った。

先ほどの記憶を辿っても、レストランらしきものって数件しかなかったし、時間的に閉店していたところもあった。
一度、見かけたレストランの前に行くも、閉店。
(確か、閉店だったか、お値段が高かったか、どちらにしても入れなかった気がする)

困ったぞ。
お腹が減ったぞ。

オザコさんが言う。
「最悪、サンセバスチャンで買ったローフのパンがまだカバンに入っている」と。
何、ジブリの映画みたいな事言ってんだ、と思ったけど、僕は黙っていた。

もう。帰るか。。と途方に暮れた時に、そのピザ屋が在った。
確かに、散歩をしている時に見かけた。
オーブンがあり、ひとりでもくもくとオーダーされたピザを焼く男性。

ピザってイタリアだよね。
とか思ったけど、お腹の限界を超えていた僕らは、このピザに飛びついた。

そして、僕にとってバスクの旅のもっとも記憶に残る瞬間となった。
ピザの上にのっているジャムのようなものは、エスプレットの唐辛子のジュレで、しっかりと村の個性を主張している。

とっても美味しい。
空腹で村を歩き回った記憶と、最高のピザにありつけた日。

お店の前のベンチに広げて、僕らはピザを食べた。
その香りに小鳥がよってきたので、かけらを小鳥に分けてやった。

コーラを片手に、スタンディングでピザを食べる僕らは、地元の人にどう写ったのだろう。
この時のピザとコーラは、日本では再現できないな。
まさに旅の醍醐味という体験となった。

おすすめです。
エスプレット村のピザ。
チェーン店なのかなー、どうなのだろう。
facebookページがあるようだ。
Pizza-Amaiana