一年ののち


一年が過ぎたんだなー、と日付を見ながらたびたび思い返している。バスクは札幌と同じ緯度とは知らなくて、夏なのに気温10℃という日には持ってる服全部着たりしていた。日本の夏は暑い。

バスクでふらふらと、住むと旅のあいだのような時間を過ごしていたときは、一年後のことなんて全く想像できなかった。考えたとこでわかんないんだから、考えなくていいんじゃないの、というよく言えば楽観的、わるく言えば無責任さで。

結局どうなってるかというと、職業訓練の調理補助コースに通い(9月半ばまで)、数日前に調理師試験を受け(結果は1ヶ月後)、週に1,2日のペースでレストランバルで働き始めた。

昨年出発前にたまたま食べに行ったレストランなのだけど、シェフは10年以上前にフランスバスクで修行していたと聞き、働いていたホテルへ泊まりにいった。教えてもらわなければ、あの山に囲まれた静かで小さな町・Biriatouを訪れることはなかったと思う。
バルのオーナー夫妻は昨秋スペインを旅してサンセバスチャンにも行き、チャコリ(バスクの微発泡白ワイン)がドリンクメニューにある。しかも18~19時のあいだだけ、一杯¥200。現地価格(€1.5~)ではあるけれど、日本でチャコリ飲める店はたいてい¥800くらいだから、破格。オーダー入って、高い位置からバシャバシャ注ぐのが楽しい。

ふ~ん、こうなったか、と他人事のようだけど、生活の一部がバスクにつながっていることが単純に嬉しい。この先もちょいちょい変わっていくだろうけど、それでいいなと思っています。

Photo : July.2017