なんとなくな、これからのこと。

12月になりました。
数えてみたら、バスクから帰ってきて55日。あの、旅とも生活ともいえる時間から、日本での暮らしにあまりにもスムーズに合流してしまったので、それはそれで違和感があった。今までの10日間くらいの滞在だと、帰国後も事あるごとに記憶にひたっていたのに、今回はちょっと違っていて。あぁ、前者が始まったばかりの恋愛だとしたら、後者はなんだろう…日常となった愛情、みたいなものなのかな。今、書きながら気づいたけれど。わっと強火か、じんわり弱火か、の違い。

そんなだったので、自分の中に実体のつかめないぼやぼやした気持ちを持ちつつ、さてこれから何をしていくのかな私は、と他者のような視点で見ていた。流されていくのかもしれないし、なにかを見つけられるのかな、と。

そのタイミングでケータリングのお話をいただき、未経験からくる不安がどっさりあったのだけど、やった方が絶対いいのは感覚的にわかっていたのでありがたく受けた。バスクのバルメニューを中心に組み立てて。

以前勤めていたカフェでも何度か出したことのあるトルティージャ(スペイン風オムレツ)を何枚も焼きながら、「あの店のトルティージャは大きかったなぁ、島に行った時Anaが持ってきてたのはお母さんの味だったなぁ」とか、いろいろ思い出していて、あ、今つながってる、と実感した。フライパンの中の卵料理を通じて、わたしとバスクが、つながれるんだ。家の小さなキッチンでも。今まで作った時には感じなかったけど、バスクでの90日が私の中にあるからなのか。これは発見だった。

昨日、12/2にケータリングを終え、たくさんの方に食べてもらえたこと。反省点ももちろんたっぷりあるのだけど、作らせていただけて、嬉しかったし楽しかった。お客様にも、スタッフの方にも、感謝ばかり。

これから、独立してやっていく、とか料理だけでやっていく、というのはないのだけど、なにかしらバスクにつながることをライフワークとしてやっていけたらいいなと思っています。料理、はひとつの方法として。そしてまわりにいる人達も、いつかバスクにつながれたら、嬉しいです。

sirimiri オザワアユミ