私の大好きなバスク

donostia

バスクが好きなことを、私は相手を選んで話してきたように思う。

旅好きだったり、おいしいものが好きな人ならきっと食いついてくるんじゃないかな、とか。
実際、どこに行くのと聞かれてバスクじゃわからんかな、と思うと「スペインとフランスだよー」なんて、間違ってはないけど私の本心を隠すような、ちょっと後ろめたいような答え方をしていた。

それはきっと、バスクって言っても期待するような反応は返ってこないだろうな、と勝手にあきらめていたから。

そして、一人熱っぽく語っても鬱陶しいかもしれんし、一から説明するのが、正直めんどうでもあったんだと思う。好きなのに。

今思うのは、バスクにも、そんな風に勝手にあきらめてた人にも、失礼だったなということ。
友達に「私だってちょっとはバスクに興味あるんだよ」と言われて、「そうなの?!」とびっくりした。
ごめんね、勝手に思いこんでて。

今年の初め、バスクの展示をしようと思いついてから今日まで、こんなにバスクのことばかり考えた日々はなかった。

この想いを文章にしていく作業は、自分の中身を探ることで、いまさら気づくこともあったし何が大切なのか再確認することもあった。

ZINEの原稿が思うように進まなくて「なんで作るなんて言ったんだ、私のバカバカ」と後悔することも、寝落ちすることも数知れず。
それでも、毎日楽しかった。

時間は容赦なく流れて、展示「sirimiri」はもう目前。焦る気持ちと、まるで他人事のように純粋に楽しみな気持ちをもって、私にとって特別な7日間が始まろうとしている。

私の大好きなバスクに、会いに来てください。