去年、吉祥寺のCLOSETで展示をした時に、となりにあったのがBlackwell Coffeeさんだった。
僕は展示期間、毎朝ここでコーヒーを買った。
ギャラリーを開けるまでの間、誰もいない静かな空間でコーヒーを飲んだ。
11時くらいだったと思う。
人通りは少ない。
はじめての個展の緊張は、コーヒーによって静まっていったのだ。
１日、２日と過ぎていく。
１杯、２杯と飲んでいく。
いつの間にか、なくてはならない存在になっていた。
数日して、タイミングを見計らって店主さんも展示に来てくれて、ご本人が描いた絵本を渡してくれた。
そして「約束」という題名のついた写真を気に入ってくれた。
去年あの期間に起きたすべての出会いは奇跡だ。
この出会いも、このコーヒーも。
恥ずかしげもなく奇跡と言えるだけの気持ちがある。
この日、フライヤーを渡しにBlackwell Coffeeを訪れた。
コーヒーを頼んで前の個展の話しをした。
店主は「あの、約束という写真、よかったなぁ」と言ってくれて嬉しかった。
1年前の10月の1週間は僕にとっては大きなことでも
他人の人生からすると、とても小さい期間だと思う。
そんな微かな瞬間を覚えていてくれた事に感謝して
この日、フライヤーを渡してきた。
Blackwell Coffeeのコーヒーは美味しい。
そして僕にとっては必要なコーヒーだ。
ありがとうございます。