今、また読んでいるこの本。
初めて読んだのは1年くらい前。
『ビルバオ – ニューヨーク – ビルバオ』 キルメン・ウリベ
著者は、スペインバスクの港町オンダロアの出身で、この物語は2008年にバスク語で書かれたそう。
(日本での発売は、2012年の秋。)
バスク語から日本語への翻訳ってのが、すごい。翻訳は金子奈美さん。
内容を説明するのはちょっと難しいのだけど(内容が難しいわけではなく、私がうまく説明できないだけ)、フィクションとノンフィクションのあいだ、のような。
ビルバオからニューヨークへ向かう間に、家族のこと、ある画家のこと、過去と現在、いろいろなことに想いを巡らせるのが、著者本人のキルメン・ウリベ、というお話。
(だから現実とも非現実とも言える、ちょっとふわふわした感覚。)
最初の一文が、とても簡潔かつ意外性があって、そこからひかれていく。ひきこまれる、ではなくて自分から寄って行ってしまうような。私はこの物語がとても好きです。
出てくる地名と巻頭のバスク地図のページを何度も行き来しながら、私はいくらでも空想旅行を楽しんでいられる。
そして、次バスクに行ったらオンダロアには絶対行く、と心に決めている。
まだ行ったことのない、港町。
明日は立春。まだまだ寒いけど、春がくるね。
Photo : February.2017